ふくろう通信

平成26年1月5日
米山 昌英

元旦の海に出て舞ふ
         一葉かな (三島 龍澤寺 中川 宋淵老大師)



明けましておめでとうございます。
元朝の新鮮な光に感謝しながら新春を迎えることが出来ました。
静かに両掌りょうてを合わせ、天地に祈り一炷いっちゅう坐る。
過ぎしとしも沢山の人との出会いに恵まれ、幸縁を結ぶことが出来ました。
今年も元気に生かされていることに感謝し、「出迎え三歩、見送り七歩」の心を大切にし ながら精進致したいと存じます。
どうぞ本年もよろしくご指導のほど、お願い申し上げます。
皆様のご平安を心よりお祈り申し上げます。

合 掌
平成二十六年元旦



 今年も確かな希望を持って新年を迎えることが出来た。人生も76歳を過ぎると、まったく月日の移ろいに戸惑とまどいを感ずるばかりである。
 一昨年は、古事記が編纂されてから1,300年、昨年は、20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮、60年に一度の出雲大社の遷宮と、我々がかって経験したことの無い、大行事を目の当たりにすることが出来た。そんな折に、実にタイムリーな、日本を知るためにふさわしい書物が発行された。
 旧皇族に生まれた、竹田恒泰氏による「古事記完全講義」(発行元:学研)である。氏が古事記編纂1,300年を記念して、4日間、36時間に及ぶ講義の内容を文字に起こしたものである。
この本が実に面白い。こんな古事記講義はありえない!抱腹絶倒、脱線だらけの爆笑また爆笑、難しい古事記を判りやすく身近に解説した竹田氏独特の講義テキストである。(著者の本の帯より)是非一読をお薦めしたい貴重な書物である。
 竹田氏は冒頭のまえがきで、歴史学者アーノルド・トインビーの言葉として、
 「十二、三歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は必ず滅びる。」と書いている。その真の理由を是非、この「古事記完全講義」を読んで多くの日本人に知って頂きたいものである。
 戦後68年、ついこの間まで、世界の先進国の優等生として、もてはやされた日本のかがやきも、度重なる経済ショックを経験し、幻の如く消え去り、夢の又夢となった。そして多くの日本人が自信を失ってしまったのだ。
 しかしながら3・11の東北大震災を契機に、改めて、日本人の精神文化、大和心というものが見直されて来たように、私には思えるのである。
 今から1,300年前の712年に編纂された日本最古の文書である「古事記」は、日本人のルーツ、日本の神話を知るためには、実に貴重な歴史書である。特に若い日本の人達に読んで頂きたいものである。
 この「古事記完全講義」(学研発行 竹田恒泰著)は、520ページに及ぶ講義調で綴られた壮大な書物でありながら、現代的に判り易く親しみやすく解説されている。
 この書物を読んで改めて認識したことであるが、2,000年以上も絶えることなく続いている国家は、世界広しといえども日本だけである。デンマークで千数十年、イギリスで940年、米国には神話の世界すらない。壮大な歴史を感じさせる中国にはいんとかとか日本より前の国はあるが、王朝に連続性がない。従って、中華人民共和国は国が出来て、たかだか63年である。日本は神話の世界から数えると2,672年目を迎えるのである。
 世界にこんなに長い王朝の国はどこにもない。しかもその間、一度も日本は、王朝が絶えることなく続いているのです。実に爽快ではありませんか。
 これからは日本人に誇りの持てる教育を小学校、中学校、高校で是非、取り上げて、頂きたいものである。竹田氏は「わが国は、現存する世界最古の国家である。わが国は二千年以上、一つの王朝を守ってきた。これは人類の奇跡だ。なぜ一つの王朝が二千年も続いたのか。この国の歴史を勉強してもらう!」(以上古事記完全講義より抜粋)と獅子吼している。
このような書籍が上梓され読まれているということは、戦後の教育のひずみからタブー視されていた日本人古来の正しい歴史教育を学ぼうとする動きが、しっかりと芽生えて来ているのである。是非、しっかりとした教育を取り戻して欲しいものである。
 日本人もようやく「日本に生まれてよかった。」という心境を吐露することが出来る素晴らしい未来が近付いてきたのであろうか。そうありたいものである。


合掌




米山 昌英