ふくろう通信

平成29年01月01日
米山 昌英

梅咲いて帰りついたる水の音 (三島龍澤寺 中川 宋淵老大師)


 明けましておめでとうございます。
 元日の朝、きれいに整頓された文机に向かって、無事に一齢を頂いた幸運に感謝し、静かに一炷坐る。
数年来続けている新しいあさの心組みである。
 いつまでも歳の初めの瑞々しいこころを持ち続けて行きたいと念願致しております。
どうぞよろしくご指導の程、お願い申し上げます。
皆様にはかけがえのない素晴らしい一年をお迎えくださいますよう心よりお祈り申し上げます。      合掌

 ただ歳が改まるというだけで、何かいいことが起きるような気持になるのが不思議であるが、世相はなかなかそうもいかないようだ。
日本の国の借金は、2015年末で1,062兆5880億円という。国民一人当たり826万円に当たるという。世界一の最悪な借金大国になったものである。会社経営であれば、債務超過でどうにもならない倒産会社である。
そのうえ、超高齢社会が最速で到来してきた。高齢者人口(65歳以上)は、26%を超えた。2060年には、75歳以上の人口が総人口の26.9%になり、現役世代1.3人で一人の高齢者を支える社会になるという。
 「同一労働・同一賃金」、「残業規制」、「非正規労働者を正規労働者」に、「最低賃金の引上げ」、「パート労働者の150万円のカベ」と、働く人口が減少すれば、人に対する政策が次々と変わり、企業負担は増えるばかりである。特に中小企業では、人手不足、高人件費で経営のやり方を変えなければ成り立たない時代になった。(イケダ経営池田勝志の2017年にあたりより引用)
 詳しいことは省略するが、付加価値に対して人件費の占める割合が多い当社のような企業は、消費税が10%になると一層痛税感が大きくなる。
 それにも拘らず全国400万社ある中小企業のうち、70%が現在でも赤字だという。この赤字企業にも課税の動きがあるということは、約280万社が倒産に追い込まれる事態になるというのである。
 ついこの間までは、世界の先進国の優等生として、もてはやされた日本のかがやきも、つかの間の夢となり、多くの中小企業の苦悩が見えてくる。
 モノとカネを中心に追い続けた70年間の価値観によって、人類社会の進むべき方向を、完全に見失ってしまった帰結である。
 しかし最近になって、外国人、特に東南アジアの国々の人々の日本を見る目が、随分と好意的になって来た様に思う。大勢の外国人が日本を訪ねて、改めて日本の精神文化の素晴らしさに接した賜物ではないか。日本人の心に流れる「おもてなしの心」「相手を思いやる心」「正直な心」等、旅をして初めて知る日本人の精神文化のお陰である。それは、日本人だけが持っている「アイデンティティ」の発露の何物でもない。
 日本は、世界に誇る世界最古の国家であり、二千年以上も一つの王朝を守ってきた世界で唯一の民族である。世界のどこの国を見ても日本以外には見当たらない。日本は神話の世界から数えると2,674年目を迎えるのである。これは人類の奇跡であり、世界に誇りをもって叫ぶことが出来る尊い文化である。
 私の拙い経験の一つで有るが、お菓子の売り場を、ある百貨店の食品街に出店する話が出た時の苦い経験である。
 わが社のひとつ一つのケーキを見ると、他のお菓子屋さんに決して引けを取らないが、暖簾のある古い伝統的なお菓子屋さんと並売すると、どうしてもわが社のケーキには何かが足りない、いかにも見劣りがするという経験をしたことがある。長い伝統の中で培ってきた、長くて深い暖簾の凄みには、とても太刀打ち出来ない、ということを思い知らされた。国家も同様である。
 世界の歴史学者アーノルド・トインビーの言葉に、「十二、三歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は必ず滅びる。」という教えがある。
 神話を持たない米国やイギリスに最も日本が誇れるものは、王朝が一度も絶えることなく二千年以上も続いている我が国の姿である。世界のどの国に対しても誇れる日本人の精神文化ではないか。(竹田恒泰著 古事記完全講義より一部引用)
 日本人が誇りの持てる一つの王朝が二千年も続いた理由は何なのか。古来の正しい歴史教育をしっかり学び、身につけなくてはいけない。
 さあ、今年も心豊かに、新たな気持ちで元気に頑張りましょう。


合掌




米山 昌英