ふくろう通信

平成31年4月5日
米山 昌英

青葉して彼岸の人を
       まのあたり (三島・龍沢寺 中川 宋淵老大師)


 TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰氏の創業15周年の会に参加した。
 帰りにお土産として上甲 晃氏の「デーリーメッセージ 日々新た」という著書を頂いた。
 その中で、「運」という事について、大谷翔平選手の高校生時代のことが詳しく紹介されていた。とても含蓄に富んだコラムであったので、是非皆さんに読んで頂きたいと紹介いします。
 高校時代の”魔法の81マス“のことである。以下は上甲先生の了解を頂き、掲載させて頂きます。
  • 「八十一のマスのど真ん中に、高校時代の三年間の目標を書く。大谷選手は、「ドラ18球団(ドラフト会議で、八球団から一位指名を受ける)」と書く。体力であったり、野球の技術であったりするのは、野球の選手としては、当然だろう。私が注目したのは、その一つに大谷選手は「運」を挙げていたことだ。
  • 運はさらに九つの具体的な実践目標を書くようになっている。・・・・・(以下省略)
    まず「あいさつ」とある。次に「ゴミ拾い」だ。そして「道具を大切に使う」。等々である。人間として当たり前を励めば、運がよくなるということである。
  • また、日本ハムのコーチであった白井さんは、「スターティングメンバーは、運の強い選手しか使わない。どういう選手が、運が強いのか。どんな平凡なゴロでも、全力で走る選手だ。」という。
  • そしてさらに「運」について、松下幸之助氏は、松下政経塾で塾生を選ぶ時、選ぶ基準は、「運と愛嬌やな」と言った一言を思い出す。
    掃除や挨拶を励めば、「運がひらく」のはなぜか、いずれも「人を喜ばせる行為」である。人を喜ばせて不幸になるはずがない。それどころか、「天が見逃すはずがない」のである。(以上は上甲先生の著書より)
 そういえば、私の参禅の師匠、三島龍澤寺の宗忠老大師が、生前お目に掛かるたびに「お前さん、陰徳を積みなさい。陰徳を積まないと「運」が開けないよ、良い運を得たければ、陰徳を積むことだよ。」、と
「ご老師!陰徳とはどういうものですか」、という私の質問に、「陰徳とは、決して見返りを求めない行為を、人知れず目立たないように行うことだよ。」、「事業で成功するには、運が強くなければ何事も成就できないよ」、その後ずっと私の耳元からこの言葉が離れない。
 上甲先生の別の項に、「松下幸之助翁と高野山」というエッセイがある。
 それは、高野山の別院「西禅院」における物故従業員の慰霊法要を営んだくだりである。
  • 「松下が今日あるのは、あなた方の尽力のお蔭である。この松下の繁栄を物故社員の一人一人に見てもらえないのが残念でならないと述べた後、物故従業員の名前を逐一読み上げる。相当な数であった。そして挨拶半ばにして、すすり上げ、絶句し、ついに号泣される。」とある。
 社員一人一人に対する経営者の思い入れの深さが、社員を育てる基本であり、社員の働く意欲の源泉であると教えられる。(上甲先生の著書より)
 この文章を読んで、今までの私の従業員に対する思い入れが如何に薄っぺらなものであったか、改めて背筋を寒いものが走った。
 経営者の社員に対する思い入れが、人材育成の原点であるのだ。
 得難い良書を頂いたものだ。大切に心に留めてこれからの事業経営に生かしていかなければと心に誓った次第である。
 改めて山崎 泰先生に深甚の敬意をと感謝を申し上げる。


合掌




米山 昌英